12日の内閣委員会で、「医療分野の研究開発に資するための匿名医療情報に関する法律案」の審議・採決がおこなわれ、質問に立ちました。
この法案は、患者が自ら拒否を申し出ない限り、治療などのデータが集められ、「認定事業者」が匿名加工して医療ビックデータにして、製薬企業や医療機器メーカーが購入・利活用できるようにするもの。
病歴など個人の医療情報は、漏えいすればプライバシーの侵害のみならず、本人やその子孫にたいする不当な差別、偏見などの不利益を与えることから、改正個人報保護法では「要配慮個人情報」とされ、本人の同意がない限り第三者への提供はできなくなります。
匿名化するとはいえ、生データが匿名加工する「認定事業者」にわたり、流出の危険はゼロではありません。また、匿名情報がどう使われたのかのチェック体制も不十分で、ヘルス産業などへの提供も可能です。
1990年代から社会保障は削減に次ぐ削減が続き、安倍政権でも社会保障「改革」の名で大ナタが振るわれ、医療や介護の公的サービスを縮小し、市場、ビジネスへの置き換えがすすんでいます。
こうした流れのなかで、アベノミクスの「第三の矢」の要としてだされた「日本再興戦略」で、医療情報を利活用する制度の検討があげられ、この法案となったわけです。
医療関係者をはじめ国民の合意もないまま、すすめられようとしていることから、委員会に先立つ理事会で、慎重審議と参考人質疑を求めましたが、参考人質疑は認められず、一日の審議で採択となりました。
法案は、自民、公明、民進、維新の賛成多数で可決されました。
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