しまづ幸広(日本共産党衆議院議員)-浜岡原発廃炉、静岡から政治を変えよう
国会質問

質問日:2016年 11月 2日 第192国会 内閣委員会

人事院勧告と国家公務員の働き方についての質疑

委員会全体の議事録はこちら

 

島津委員 おはようございます。日本共産党の島津幸広です。

 人事院は、官民較差が生じているとして、三年連続して、月例給について七百八円、〇・一七%の給与引き上げを勧告しました。一時金も、民間支給月数を〇・一二カ月下回っているとして、こちらは〇・一カ月の引き上げを勧告したわけです。

 俸給表の改定では、初任給を千五百円に引き上げ、若年層も同程度の改定を行うなど、昨年同様、初任給と若年層に重点を置いた改定となっているけれども、中高年はどうでしょうか。

 全ての号俸で引き上げるとしていますけれども、高位号俸については四百円の引き上げとなっています。中高年層の多くは、給与制度の総合的見直しの経過措置で現給保障がされている。ですので、四百円の引き上げでは実際の手取りの給料が上がらない、こういう人がいるわけです。

 今回の改定で、こうした給与額が上がらない職員というのはどのぐらいいるんでしょうか。

古屋政府参考人 今回、お尋ねのとおり、月例給それから特別給、それぞれ引き上げるということでございますので、両者を合わせると全て職員の給与は増加ということですが、今の月例給ということで申し上げますと、行政職俸給表(一)の適用職員で見ますと、四四%ほどの職員が増加しないということになるところでございます。

島津委員 四四%の職員が月例給で増加しないということです。

 今回、今もありましたように、月例給と一時金なんですけれども、給与、一時金を含めるとその引き上げは〇・二五%の改善になるということなんですけれども、しかし一方で、物価も上がっています。

 今回のこの引き上げで、物価との関係で考えて、実質賃金はふえるんでしょうか。

古屋政府参考人 人事院としては、実質賃金の算定ということは行っておらず、勧告につきましては、国家公務員の給与水準を民間企業従業員の給与水準と均衡させるということを基本に行っておりまして、その結果、本年、月例給、特別給ともの引き上げということで、年間給与の増ということで見ますと、〇・八%の引き上げということになっているところでございます。

島津委員 二〇一五年度の消費者物価指数は、対前年度比で〇・八%上昇しています。ですから、実際には、この間、実質賃金は低下し続け、五年連続の実質賃金低下となっています。しかし、今回も、こういう幅ですから、低下することが予想されます。

 民間の実質賃金は、経団連の集計によると、中小企業は前年の引き上げ幅よりも〇・〇四%下回る、大企業も〇・二五%下回っているというのが集計結果です。これは、厚労省の調査でも、労働組合の調査でも、賃上げ幅は前年を下回っている、こういう結果になっている。ですから、実質賃金は相変わらず下がり続けるということが見えるわけです。

 景気回復のためには、全ての労働者の賃金が上がらなきゃいけません。しかし、民間の労働者の実質賃金が上がっていない。今回の人事院勧告は、その民間を反映して低額の回答となって、生活の改善にはほど遠い、こういう声が上がっています。

 大臣、今回の月例給で千五百円から四百円の引き上げ、一時金も引き上げがあるんですけれども、これで賃金が上がって景気回復につながると思いますか。

山本(幸)国務大臣 景気回復には、デフレ脱却と経済再生への道筋を確かなものとして、経済の好循環を確立することが重要であります。政府といたしましては、人事院勧告制度尊重の基本姿勢のもとでやるわけでありますが、この人事院勧告制度も、民間の給与の水準を反映して求められているものでありまして、経済の好循環を推進するマクロ経済政策とは整合的であるというように考えております。

 したがいまして、人事院勧告どおり、国家公務員の給与改定を行うことが適当であると判断したものであります。

島津委員 今回の引き上げをもっと上げろということじゃなくて、今回のこの引き上げで労働者の賃金が上がって、これは民間も含めてのことになりますけれども、賃金が上がらなければ景気回復、消費がふえないわけですから、景気の好循環は生まれないわけです。政府も、賃金を上げる引き上げは重要性を認めているところなんです。

 ですから、今回の人勧のこの引き上げ幅で景気回復に資するか、役立つのかということを聞いているんですけれども、どうなんですか、そこは。

山本(幸)国務大臣 それは賃金というものは、引き上げるだけ上がれればいいんですけれども、単純にそういかないのが現実であります。財政の状況もありますし、また民間においては企業経営の状況もあります。

 そういう中で、私どもとしては、少しでも賃金を上昇していただくという努力もしてきましたし、民間の給与も、十分とは言えないまでも少しずつ上がっている、そういうことを反映して、国家公務員もそれに応じて賃上げをしていく。気持ちとしてはもっともっとというのは当然ありますが、しかし、いろいろな制約条件もありますので、一歩一歩ということになろうかと思います。

島津委員 賃上げの重要性は今大臣に認めていただきましたけれども、この間、消費税の八%の引き上げ以来、個人消費が落ち込んで、それが景気回復の足を引っ張ってきた。賃金が上がらなくては消費もふえない、これはこの間の経過で立証済みなわけです。

 続いて、一時金についてお聞きします。

 引き上げ分は全て勤勉手当に配分するとしています。この理由は何でしょう。

古屋政府参考人 支給月数の引き上げ分の期末手当及び勤勉手当への配分に当たりましては、民間賞与における考課査定分の占める割合等を踏まえつつ、勤務実績に応じた給与を推進するため、今回の引き上げ分は勤勉手当に配分することとしたところでございます。

島津委員 勤務実績ということですけれども、要するに、人事評価を活用するということになるわけです。

 その勤務実績というのは、どうやって判断するんでしょう。

古屋政府参考人 勤勉手当の額につきましては、人事評価の結果に基づいて決定するとされておりまして、六月期の勤勉手当につきましては、前年十月から当年三月までの業績評価の結果を、それから十二月期の勤勉手当につきましては、当年四月から九月までの業績評価の結果を活用することとしております。

 この勤勉手当の額は、俸給及び地域手当の月額等に勤務期間に応じた率及び成績率を乗じて算出するとされておりまして、この成績率は、特に優秀、優秀、良好、良好でない、この四段階の成績区分に分けられております。この成績区分の決定に当たりまして、直近の業績評価の全体評語が上位、SまたはAである職員から、特に優秀、優秀の成績区分に決定する、また下位のCまたはDである職員につきましては、良好でないの成績区分に決定するということになるところでございます。

島津委員 業績評価、勤務実績なんですけれども、公正な評価がされるか心配だという声が上がっています。例えば目標の達成率、もちろんこれだけで評価するわけじゃないんですけれども、目標をこなすことでさまざまな弊害が生まれているということも聞きました。

 例えば、ハローワークにおける求職者の仕事の紹介。仕事を探しに来た人の性格など、あるいは適性を見きわめるためには、時間がかかります。場合によっては人生相談に及ぶということもあるそうです。それを、紹介率を上げるためにとにかく数をこなす、何でもいいからと紹介する。結局これは、離職率が高くなるということになるんです。

 また、税金の滞納の収納の問題でも、実績を上げるためにかなり強引な取り立てがやられているという話を聞いたこともあります。

 目標の達成率にこだわり過ぎると、やはり国民にとってもいいことはないと思うんです。また、数値にあらわれない仕事もありますから、縁の下の力持ち的な仕事をどう評価するか、こういう課題もあります。ですから、非常に慎重にやる必要があるということを指摘しておきたいと思います。

 次に、非常勤職員の処遇についてお聞きします。

 初任給の千五百円の改定に伴って、二〇〇八年の人事院の指針、「一般職の職員の給与に関する法律第二十二条第二項の非常勤職員に対する給与について」、これに基づいて、非常勤の給与も今回の勧告に基づいて改定されるわけですね。

古屋政府参考人 非常勤の給与に関しましては、今お示しの給与法二十二条二項の規定によりまして、「各庁の長は、常勤の職員の給与との権衡を考慮し、予算の範囲内で、給与を支給する。」という、この規定に基づいてということになるわけでございまして、本年勧告におきましては、今お示しされたとおり、常勤の職員につきましては俸給表の引き上げ改定を勧告しております。

 今般給与法が成立された場合の非常勤職員の給与の改定についても、各府省において、予算の状況等を踏まえ判断されることになるというふうに考えております。

島津委員 実際にこれまでも勧告があって、給与が改定されてきているわけなんですけれども、今の指針に沿って、各省庁の予算の範囲内という制約もあるんですけれども、各省庁が指針に沿って非常勤職員に給料を払っているかどうかというのは、これは人事院、掌握しているんでしょうか。

古屋政府参考人 指針発出後、適宜、そのフォローアップということで調査をさせていただいておりまして、昨年につきましても、各省の実態というのを把握しながら、ヒアリングを行いながら、指導するところは指導しているということで確認をとっているところでございます。

島津委員 各省の実態、要するに各省で違いがあるわけですけれども、その辺は具体的に、各省ごとに違いというのを掌握しているんですか。

古屋政府参考人 お聞きした中で、達成していないところがあれば指導するということでありまして、そこのところについて、何か集計結果とか、そういうものはあるものではございません。

島津委員 達成しないところがあれば指導するということですけれども、達成していないところがあるわけですね。

古屋政府参考人 おおむね達成したところでございますが、例えば通勤手当の一部について、一部の官署で十分に達成されていなかったところについては指導して、その後改善されたというようなことが行われているということでございます。

島津委員 通勤手当の話がありましたけれども、要するに、基本給といいますか、そこのところでは全部の省がきちんと勧告の線に沿って、指針に沿って達成しているわけですね。

古屋政府参考人 基本給につきましては、基本的にはそのような形で達成されているところでございます。

島津委員 常勤者の場合は四月にさかのぼって適用されるんですけれども、そこも、非常勤の場合、各省庁きちんとなっているわけですね。

古屋政府参考人 給与法改正に伴います非常勤職員の給与の取り扱いに関しましては、昨年のフォローアップにおきましては、その年度中またはその翌年の四月にほぼ全ての府省において改定が行われたというところでございます。

島津委員 やはり、各省庁の予算の範囲内でということで、ばらばらになっているんです。

 非常勤職員は、常勤職員の約四分の一を占めています。今や非常勤職員の存在なくして業務は成り立ちません。人事院も年次報告で、公務遂行にとって欠くことのできない役割を担っている、こう言っています。

 ところが、今もあったように、給与法二十二条二項で、予算の範囲内でということになっている。ですから、省庁ばらばらなわけです。省庁任せになっている。これはしっかり指導して、予算も確保させることが必要だと思うんです。

 大臣、ここは公務員担当の大臣として指導性を発揮して、各省庁の長に働きかけて、きちんと意欲を持って働いてもらうようにすべきじゃないですか。どうです。

山本(幸)国務大臣 御指摘のように、非常勤職員について若干ばらつきがあるということは私どもも承知しております。

 そういう意味で、本年三月に内閣人事局としても調査を行って、九月に結果も報告したところでございまして、その実態を把握できたことは一定の意義があると考えておりますが、まさにおっしゃるように、給与法改正を踏まえた基本給の改定時期等、一部の項目についてはばらつきが見られたところでございます。

 したがいまして、私どもとしては、今回の調査結果を踏まえて、関係機関と連携して、今後の対応についてぜひ実効が上がるように検討してまいりたいと思っております。

島津委員 ぜひしっかり役割を果たしていただきたいと思うんです。

 次に、扶養手当の見直しについてお聞きします。

 配偶者手当が一万三千円から六千五百円に半減します。そして、その原資を使って、子供に係る手当を六千五百円から一万円に引き上げる、また、配偶者手当のない場合の一人目の扶養家族に係る手当の特例を廃止する、このような見直しです。

 経過措置をとられていますけれども、この改定によって、扶養手当をもらっている人が、今もらっている額よりも減額する、こういう受給者は、受給者のうちどのぐらいいるんでしょう。

古屋政府参考人 扶養手当を受給している職員の状況が現在と改定後変わらないという仮定のもとの計算をいたしますと、現行の手当額それから平成三十二年度以降の手当額の比較ということで申し上げますと、現在扶養手当を受給している職員、約十四万人おるわけですが、そのうちの四五%は減額になるというふうに試算しているところでございます。

島津委員 民間の調査では、家族手当制度がある事業所は、昨年の七六・五%から七六・八%に、少しですけれどもふえています。そのうち、配偶者に家族手当を支給しているのは、昨年の九〇・三%から八七・〇%と、ほとんど変わっていません。

 なぜ国家公務員だけ、ことし配偶者手当を半減するんでしょう。

古屋政府参考人 配偶者に係る手当をめぐりましては、民間企業におきましては、配偶者に係る手当を支給する事業所の割合というのは長期的に減少傾向にございますし、公務におきましても、配偶者を扶養親族とする職員の割合というのは減少傾向にあるなど、こういった状況の変化が生じているところでございます。

 このような配偶者に係る手当をめぐる状況の変化などを踏まえまして、今般、公務における配偶者に係る扶養手当について、配偶者に係る手当額を他の扶養親族に係る手当額と同額まで減額するといった見直しを行うこととしたところでございます。

島津委員 減少傾向と言いますけれども、そんなに、人事院の調査でも昨年と比べて減っていない。配偶者に家族手当を支給している事業所の八割は、見直す必要がないと言っています。

 国家公務員は、公正な行政運営をするために全国異動や転勤が多い。ですから、配偶者が正職につきにくい状況があります。地方に行けば、よりその就職先は厳しくなる。働きたくても働けない、こういう状況があります。

 配偶者手当の廃止、これは女性の活躍ということで、就労に結びつくということで流れがあるんですけれども、しかし、本当にそれで結びつくかどうかは疑問です。女性の活躍できる社会の実現には、こうした家族手当、配偶者手当を減らしたりなくしたりということよりも、税制や社会保障制度のあり方、男女とも家庭の負担を負いながら働き続けられる環境の整備こそ優先するべきと思うんです。

 人事院、今回の扶養手当、とりわけ配偶者手当の半減ということなんですけれども、それをやるよりも、もっと両立支援だとかそういうところにこそ力を入れるべきじゃないんでしょうか。

古屋政府参考人 今回の見直しにつきましては、あくまで扶養手当のあり方ということに関して、我々としては手当制度のあり方の観点から見直しを行ったというところでございます。

島津委員 時間がなくなりましたので、ちょっとこの後、組合との関係を聞きたかったんですけれども、申しわけありませんけれども、次の法案質疑のところに回させていただきます。

 とりあえず、この質問はこれで終わります。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

島津委員 冒頭、朝の質疑に続いて、続きをしたいと思うんですけれども、扶養手当の問題を最後に取り上げました。

 この扶養手当というのは、扶養家族のいる職員の生計を補う手当として、長年にわたって定着しています。職員の生活設計に組み込まれているものです。生活給であることは人事院も認めているはずなんですけれども、これを大幅に変更するわけです。

 これだけ重要な変更ですから、今も議論がありましたけれども、労働組合との関係で、労働組合に十分な説明をして、意見も聞くことが必要だと思うんですけれども、この問題はどういう協議をしてきたんでしょうか。

古屋政府参考人 扶養手当のあり方に関しましては、昨年十一月から開催しました学識経験者による扶養手当の在り方に関する勉強会、こういった場におきましても、職員団体の方からのヒアリングを実施したということがございます。

 また、本年の春闘期、それから勧告期における会見等の場でも、職員団体等の意見を伺いながら検討を進めさせてきていただいたところでございます。

島津委員 意見を聞いてきたという話なんですけれども。

 しかし、私、実際に国公労連の皆さんから話を聞きましたら、人事院は、今回の見直し、労働組合の意見を聞いた上で検討する、こう言ってきたわけなんですけれども、その具体案が出てきたのは、これまで会見の場、交渉の場で聞いても、検討中検討中の一点張りだったんだけれども、一週間前になって具体案が出てきたと。労働条件にかかわるこれだけ重要な問題で、こうした対応になっているんです。

 大臣、一週間前に具体案が出てくる、これは正常な事態だと思いますか。

山本(幸)国務大臣 人事院において職員団体とどういう交渉をされたか、その経緯をよく存じませんので、コメントは差し控えたいと思います。

島津委員 労働者には、憲法で保障されている労働基本権があるわけです。しかし、公務員はそれが剥奪されているもとで、労働基本権の代償措置として人事院の勧告制度があるわけです。ですから、人事院は、政府と労働組合との間での第三者機関として、双方の意見をしっかり聞く役割を担っているわけなんです。

 ところが、今回の扶養手当の見直しによる労働条件の改定、労働条件の引き下げがある、四五%の人が影響する、こういう大きな問題で、事実上、具体案に対して労働組合の意見は聞かずに、一方的に決めたものになっているんです。

 総裁、今後は、こういう労働条件の変更に当たって、今回のような、ある意味乱暴なやり方、これはやるべきじゃないと思うんですが、どうでしょう。

一宮政府特別補佐人 今回の見直しに当たりましては、扶養手当の在り方に関する勉強会における職員団体ヒアリングや、本年の勧告に向けた会見等を通じて、職員団体の意見も聞きながら検討を進めて、人事院として今般の見直しの内容を取りまとめたものでございます。

島津委員 意見はヒアリング等で聞いているかもしれませんけれども、今回のように大幅な、とりわけ配偶者手当の問題で削減になるわけですけれども、具体案が出たのが一週間前なんです。それで、その案に対して労働組合に十分に意見を聞いたということになるんですか。

古屋政府参考人 最終的な案ということではお尋ねのとおりでございますが、先ほども申し上げたとおり、その見直しは、累次の段階におきまして、それぞれのレベルで意見交換、意見聴取ということをさせていただきながら最終的にまとめたということでございます。

島津委員 大臣、今まで人事院からの答弁がありましたけれども、労働基本権の剥奪の代償措置としての役割をやはり果たしていないと思うんです。

 それなら、ILOも繰り返し、日本の公務労働者の労働基本権の回復の勧告を行っているわけです。剥奪した労働基本権、これは公務員に返すべきじゃありませんか。どうですか。

山本(幸)国務大臣 この点は、先ほども議論してまいりましたけれども、私どもは、人事院勧告制度で、労働基本権制約の代償措置としての勧告制度というものがありまして、これを尊重しているということであります。労働協約締結権を付与するかどうかについては、まだまだいろいろな疑問や議論があるということで、慎重に検討すべきものだと思っております。

島津委員 これをずっと議論するわけにはいきませんから、剥奪した公務員の労働基本権の代償措置として人事院がその役割をしっかり果たすよう求めて、次の質問に移りたいと思います。

 総裁、これで結構です。ありがとうございました。

 次に、公務員の現状について伺います。

 初めに、公務員は、国家公務員、地方公務員と、それぞれ部署で働いているわけですけれども、国家公務員の現状についてまずお聞きしたいと思います。

 国家公務員の人数、その内訳で、いわゆる正規、常勤職員、非常勤の職員、それぞれ直近で何人なんでしょうか。

三輪政府参考人 私ども内閣人事局が取りまとめました一般職国家公務員在職状況統計表によりますと、平成二十七年七月一日時点の常勤職員は約二十七万人、非常勤職員数が約十四万人でございます。

島津委員 この非常勤職員の十四万人の内訳、そして、定義もあると思うんですけれども、これを簡潔に教えてください。

三輪政府参考人 今申しました私どもの調査、平成二十七年七月一日時点でございますけれども、庶務や秘書業務に従事をいたします事務補助職員が約二万三千人、委員、顧問、参与等職員が約二万二千人、そのほかにも、保護司約四万八千人、職業相談員等約二万人を含みますその他の職員が約七万六千人となっております。

島津委員 政府は、二〇一四年七月の閣議決定で、総人件費基本方針、それと機構・定員管理方針、これを固めました。その中で、五年ごとに基準年度を設定して、府省全体で、対基準年度末の定員比で毎年二%以上合理化する、こうしています。これは間違いありませんか。

若生政府参考人 お答えいたします。

 国の行政機関の機構・定員管理に関する方針におきまして、府省全体で、対基準年度末定員比で毎年二%、五年一〇%以上の合理化をするということを基本とするということとされているところでございまして、委員御指摘のとおりでございます。

島津委員 今答弁があったわけですけれども、このうち、とりわけ機構・定員管理方針では、府省の枠を超えた機構管理の方針を打ち出しています。「平成二十七年度から平成三十一年度までの定員合理化目標数について」、こう題した内閣人事局通知が出されています。簡単に言えば、この通知はどういう内容なんですか。

若生政府参考人 委員御指摘の人事局通知でございますけれども、先ほど申し上げました閣議決定に基づきまして、平成二十七年度以降、行政機関全体で毎年二%、五年で一〇%以上合理化する、これを基本として取り組む、これに基づきまして、平成二十七年度から平成三十一年度までの五年間で政府全体で約三万人の定員合理化に取り組む、こういう目標を定めているところでございます。

 この計画的な定員合理化の取り組みでございますけれども、業務の見直し等による定員の合理化を計画的に進めるとともに、それを原資としまして、新たな行政課題に対して必要な増員を行う、こういうものでございまして、これによりまして、政府全体としてスリム化を図りつつ、行政需要に応じた部門間での定員再配置を行う、こういうことでございまして、内閣の重要政策に的確に対応できる体制を構築する、これを目的としたものでございます。

島津委員 今お答えがあったように、毎年二%、五年間で一〇%。これは、具体的に見ますと、今あったように業務改革にかかわる再配置もあるわけです、ふやす分も。しかし、トータルで見ますと約一万八千人ほどの定員減になります。一万八千人分の定員を減らすということは、それだけ、一万八千人分の仕事を減らすということなんでしょうか。

若生政府参考人 先ほど申し上げましたように、ICT化等の業務の効率化によりまして合理化をする部分と、新たな新規行政需要に対応して増員をする部分と、毎年度の査定におきまして、その兼ね合いで年度末の定員の推移が決まっていくということでございます。

 二十七年度、二十八年度におきましては、テロ対策あるいはサイバーセキュリティー対策、CIQ、火山防災対策など、重要な政策課題にきちっと対応するべく必要な増員をしている。一方で、行革の観点から切り込むべきところには切り込んでいるということで、政府全体としては純減になっているというところでございます。

島津委員 業務が変わらなくても、機械的に定員削減が行われる。職場では、業務の簡素効率化ももう万策尽きた、こういう状況になっているというところも多いんです。

 一九六七年の、総定員法施行前には国の行政機関の定員は約九十万人、それが今は定数削減や独法化で三十万人、三分の一に減っているわけです。そして、その足りないところを今、非正規職員、非常勤で埋めているわけです。

 冒頭お答えにあったように、現在、非常勤の職員は十四万、そして、委員、顧問、参与職員等、それと、その他のうちボランティアで働いていただいている保護司を除くと六万九千三百十人、約七万人、これが実際に国の機関で働いている非常勤職員なわけです。給与法が適用される常勤職員約二十七万五千人、この二五%、四人に一人が今は非常勤という状況になっています。

 しかし、この二五%という比率、各省によっても違いがあります。省庁の中で非常勤の割合が一番多いのはどこですか。

三輪政府参考人 お答え申し上げます。

 今委員が、非常勤職員のうち一定の無報酬の保護司等を除いた七万人のベースでのお尋ねでございましたので、そのベースで数字を見てまいりますと、常勤職員に対しての非常勤職員の割合、高い省庁を幾つか申しますと、復興庁で約一八二%、それから文化庁では九〇%、厚生労働省では約八六%という状況でございます。

島津委員 復興庁は災害等がありますから多いのはわかるし、文化庁もそれぞれそういう理由があると思うんですけれども、私が注目しているのは厚労省なんです。八六%というのは非常に驚く数字だと思うんです。厚労省はそれだけ非常勤の職員に頼っている。その中でも典型的な職場がハローワークです。

 厚労省、公共職業安定所における非常勤職員の人数を聞きたいんです。この十年間、十年前そしてピーク時、直近の人数、非常勤の人数を教えていただけますか。

大西政府参考人 ハローワークにおける非常勤職員の数でございますが、平成十九年度、九千百六十九人。直近、平成二十八年度、一万五千六百九十七人。直近十年間のピーク時は平成二十三年度でございまして、二万一千二百九十五人でございます。

島津委員 今お答えしていただいたのは、事前に厚労省から資料をいただきましたので、きょう配付資料の1でつけさせていただきました。

 常勤職員が減って非常勤職員がふえ続けているわけなんですけれども、これは厚労省に聞きたいんですけれども、このハローワーク、公共職業安定所、何でこんなに非常勤職員が多いんでしょうか。

大西政府参考人 先ほど、非常勤職員の人数の多いものを平成二十三年度とお答えさせていただきました。この理由でございますが、リーマン・ショック後の雇用情勢の変化に的確、迅速に対応するため、非常勤職員の人数がふえて、平成二十三年度がピークになっておるところでございます。

 その後、雇用情勢が改善しておりまして、求職者数も減少傾向になってきておりますので、非常勤職員の数は減少してきているところでございます。

島津委員 ピークの話はそのとおりだと思うんです。

 私が聞きたいのは、この資料は非常勤職員の数だけですから、常勤職員が出ていませんけれども、その前の議論で、やはり厚労省は八六%を非常勤に頼っていると。これは非常勤の数だけですけれども、常勤の数は少ないんですよ。

 例えば、直近で、この平成二十八年、非常勤がこれだけ、一万五千六百九十七人いるんですけれども、では常勤は何人なんですか。

大西政府参考人 平成二十八年度の常勤職員の人数は、一万六百六十六人でございます。

島津委員 正規の職員は、この窓口の、ハローワークの相談員の数なんですけれども、違う仕事をしているわけですよ。このハローワークの仕事というのは、本当に非常勤に頼っている。非常勤に頼らざるを得ないという状況になっている。

 非常勤の人がいないと職場が回らない、こういうことになっているんですけれども、非常勤の人がいなければ、とりわけこのハローワークでは職場が回らない、これはお認めになりますよね。

大西政府参考人 私ども厚生労働省といたしましては、非常勤職員の方につきましては、雇用情勢の変化による行政ニーズに対応するため、その人数につきまして、平成二十三年度をピークとして多くなっておったということでございます。

 もちろん、常勤の職員も一生懸命働いているわけでございまして、私どもといたしましては、常勤職員の方と非常勤職員の方の適切な役割分担のもとでハローワークの体制を確保してまいりたい、このように考えているところでございます。

島津委員 結局、ハローワーク、ほかのところもそうなんですけれども、非常勤の職員がいないと職場が回らないという実態があるわけです。

 このハローワークの仕事ですけれども、これは本来どういう仕事なのかということなんです。

 例えば、これは聞いた話なんですけれども、ある高校生の就職活動が、卒業しても決まらなかった。この高校生の相談に乗ってきたハローワークの担当職員が、年度末を境に突然別の職員にかわってしまった。非常勤だったから、かわったわけです。これまで何カ月もかけてその高校生に対して熱心に相談に乗ってくれた人が、予期しない全く別の人にかわる。継続性もない。その高校生がどういう仕事に向いているか、どういう希望があるのか、何が得意か、それまでの相談員がこれまで積み重ねてきた蓄積がなくなるわけです。何よりも、行政に対する信頼感がなくなった、こう話していました。

 また、こんな話もあります。ハローワークの職員が、地元の会社を訪ね歩いて、就職希望の高校生の内定率が低いから、求人のお願いに来る。ぜひ求人を出してもらいたい、こういうことで、その会社にどういう人がマッチするのか、よく理解してくれるハローワークの職員がいるわけです。それが、毎回違う人が来たんじゃ、一から全て説明しなきゃならない、会社から見て。こういう業務を担う職員はぜひ常勤にしてほしいと、ある会社の方は話していました。

 大臣に聞きたいんですけれども、これはハローワークの事例なんですけれども、本来このように、人と人との信頼関係で成り立っている業務を担う職員というのは無期雇用の方が、経験の蓄積や業務の継続性などさまざまな面で、国民にとっても力になると思うんですけれども、どうでしょう、大臣、所見を。

山本(幸)国務大臣 ハローワークの職業相談員を含む非常勤職員については、平成二十二年、従来の日々雇用制度にかえた期間業務職員制度を導入して、不安定な地位の改善や業務実態に即した適切な処遇の確保を図ったところでございます。

 期間業務職員の採用に際しては、人事院規則において、原則として公募によることとされておりますけれども、勤務実績に基づいて能力を実証できる場合には、例外的に公募によらない採用も可能であります。

 また、その公募によらない採用は、平等取り扱いの原則及び成績主義の原則を踏まえて、同一の者について連続二回を限度とするよう努めるものとする旨、人事院の通知に定められております。ただ、公募を経て能力の実証が制度の趣旨に沿って適切に行われた結果として同じ者が引き続き勤務することはあり得るものと承知しております。

 以上のような制度的な枠組みのもとで、ハローワークにおいては、職業相談の内容をシステムに記録して職員間で共有してもらうなど、行政サービスを低下させることなく、求職者のためにきめ細かな職業相談、職業紹介を行っていただいているものと認識しております。

島津委員 公募等の話もありましたけれども、継続の道があるとはいえ、実際にはやはり、三年の雇いどめという状況もあるわけです。

 お配りした資料2を見ていただきたいんです。職員数とハローワークの設置数、この資料は、公共職業安定所の正規の常勤職員の数とハローワークの設置数のグラフ、これは厚労省の資料です。常勤職員が減っているのが一目瞭然にわかるんですけれども、私が注目したのはハローワークの設置数です。昭和四十二年、一九六七年の七百カ所から、二〇一六年、平成二十八年、五百四十四へと減っています。これは何で減ったんですか。

大西政府参考人 ハローワークにつきましては、行政改革の流れの中で、そういった合理化等を実施してきたところでございます。

 こうした中でハローワークの数が減ったということでございますが、ハローワークの整理統合をしてきたわけでございますが、その場合に、管理、間接部門の合理化、業務の集約化等もあわせて行ってきて、窓口体制の確保もあわせて図ってきたところでございます。

島津委員 窓口体制の確保といいますけれども、実際にハローワークそのものが数が減っているわけです。しかも、この厚労省の資料にありますように、昭和四十二年の求職者数と今の数、ふえていますよ。むしろ、ますますハローワークの役割が必要になっているのに。

 私、実際に、あるところのハローワークに通っている人から話を聞きました。月一回行くんだけれども、いつもハローワークは混んでいる。駐車場があるんですけれども、入り切らない車が道路にあふれて並んでいる。近くに有料駐車場があるんですけれども、ハローワークに行くぐらいの人ですから、そういう有料駐車場代のお金も節約するんですよ。道路に仕方なく並んでいる。行き過ぎた合理化をしたんじゃありませんか。

 今、電通の過労死が大問題になっています。監督官が足りないもとでブラック企業が横行していることが改めて浮き彫りになりました。ハローワークもそれと同じで、正規職員を減らして非正規をふやしている、そしてハローワークそのものも減らしている、公共業務を減らして国民に不利益が及んでいる、こういうことじゃないんでしょうか。

 大臣、どうですか。

山本(幸)国務大臣 今もお話がありましたけれども、厳しい財政状況のもとで、厚生労働省において、ハローワークの整理統合によりまして、管理、間接部門の合理化や業務の集約化等を図ってきておりますが、一方で、窓口体制の確保を図ってきております。

 また、ハローワークの再編に当たっては、労働市場圏や利用者の交通アクセスなどにも配慮されているなど、利用者に極力不便をかけないよう努めているところと承知しております。

 さらに、昭和四十二年当時はなかった新卒応援ハローワーク、わかものハローワーク、マザーズハローワークなどの専門的な支援を行う施設の拡充を図ることにより、求職者のニーズにきめ細かく応えてきているものと認識しております。

 また、先般の地方分権法の改正によりまして、地方版ハローワークというものも設立したところでございます。

 今後も引き続き、ハローワークが雇用のセーフティーネットとしての役割をしっかりと果たすことができるよう、必要な体制を整備するため、めり張りをつけた定員管理を行ってまいりたいと思います。

島津委員 結局、矛盾は激化しているだけなんです。機械的な定員削減はやはり見直すべきだと思うんです。

 次に、非常勤職員の雇いどめの話をお聞きしたいと思っているんですけれども、大臣、先ほどお答えになりましたから、このことは繰り返しませんけれども、三年で雇いどめになる、その先の雇用の継続の可能性は閉ざされていないんですけれども、やはりこれがいろいろな足かせになっている。

 この雇いどめというのは、実は、職員にも非常勤職員にも、大きな影響を与えているんです。

 ハローワークで、何人かの方から私は話を聞きました。

 ある就職支援ナビゲーターの女性の方は、一年ごとの契約のために、次の更新があるのか不安な日々を送っています、自分が仮に雇いどめになる可能性があっても、自分が応募する求人に希望している求職者がいた場合には相談、紹介を行うので、不安な気持ちやストレスがたまりますと。つまり、自分の席を求人に出して、その求人に来る人の対応をするというわけですよ。公募を廃止していただき、安心、安定した非常勤職員となるように希望します、この方はこう言っています。

 また、ある女性の方は、公募によってメンタル疾患となる非常勤職員が発生し、治らないのでやめる実態もあります、精神的な疾患に追い込んで社会に放り出すという状況をなぜ厚労省が繰り返すのでしょうか、このことによる最大の被害者は利用者であり、国民であり、国民に損害を与えています、こういう声があるんです。

 機械的に公募をすることで、期間業務職員が非常に不安定な雇用の不安を抱える、また、公募をきっかけとして管理者が恣意的に契約を更新しないという例も聞きました。後を絶たないということがあります。

 雇いどめという制度、弊害の方が多いんじゃないですか。

福田政府参考人 お答えいたします。

 期間業務職員につきましては、先ほど大臣から答弁いただきましたように、期間業務の採用につきましては、国公法が定めます平等取り扱いの原則あるいは成績主義の原則の観点から、国民に対しまして官職を公開し、広く応募の機会を付与することにより、公平公正な任用を確保することが必要であることから、公募によることを原則としておるところでございます。

 ただ、能力実証を面接及び期間業務職員としての従前の勤務実績に基づき行うことができる場合については、例外的に公募を行わないで再採用することができることといたしましても、直ちにこれらの原則に反するものではないと考えられるところでございます。

 しかしながら、このような再採用を何度も繰り返すということになりますと、国民に対する官職を公開する機会を狭めることになることから、公平公正な任用の確保のため、連続二回を限度とするよう努めるところとしているところでございます。

島津委員 公平な機会、平等、それから能力の問題の話もあるんですけれども、非常勤職員はもっと能力がある人があれば置きかえる、こういうことになりますと、では、常勤職員はそれよりも能力がある人があったら置きかえなくてもいいのかという、こんなおかしな話になるんです。

 この雇いどめの問題では、公募によらない採用は同一者について連続二回を限度とするよう努めるものとし、こうなっています。努めるということは努力規定ですから、三年雇いどめは必ずやらなくていいわけです。

 これは無期雇用にできるんじゃありませんか。無期雇用にすべきだと思うんですけれども、どうでしょうか。

福田政府参考人 お答えいたします。

 議員御指摘のように、人事院の通知におきましては、公正公平な任用の確保のため、公募によらない採用は連続二回を限度とするよう努めるとしておるところでございます。

 ただ、公募によらない再採用を何度も繰り返すことは、やはり、国家公務員法上の平等取り扱いの原則などとの関係で問題となることから、各任命権者におかれましては、制度の趣旨にのっとった適切な運用がなされるものと考えるところでございます。

島津委員 時間が来ましたから終わりますけれども、定員削減を上から無理やり押しつけている、そのもとで現場の業務に支障が出ています。それが国民の不利益にもなっているわけです。公務という仕事から考えても、本末転倒だと言わざるを得ません。

 定員削減を目的とした総人件費抑制政策を改めて、総定員法の廃止、定員削減計画の中止、撤回が必要です。恒常的、専門的な職務を担う非常勤職員を常勤化、定員化するべきです。そのことを求めて、終わります。

質問の映像へのリンク

https://youtu.be/PT8h1mSCiaA

© 2004 - 2017 Japan Communist Party.