しまづ幸広(日本共産党前衆議院議員)-浜岡原発廃炉、静岡から政治を変えよう
国会質問

質問日:2016年 2月 25日 第190国会 予算委員会

雇用促進住宅についての質問

 

○島津分科員 日本共産党の島津幸広です。
 塩崎大臣とは、先日、最低賃金の問題で議論させていただきましたけれども、きょうは、雇用促進住宅の問題について質問させていただきたいと思います。
 最初に現状についてお聞きしますが、厚生労働省の資料によりますと、昨年末現在で、住宅所有戸数は十一万八百五十七戸、実際に入居しているのは四万四千九百五十戸となっています。推定では十万人近い人が住んでいると思いますけれども、これは間違いありませんね。

○生田政府参考人 お答えいたします。
 現在、入居されている戸数につきましては四万四千九百五十戸でございまして、正確な入居者数は把握してございませんけれども、仮に一戸当たり平均二人が居住されているというふうに仮定いたしますと、約九万人ぐらいが住まわれているというふうに考えてございます。

○島津分科員 二〇〇八年当時と比べると、約八年間で入居者数だけでも二十万人減っています。中堅都市が丸々一つ消えたことになるわけですけれども、ここには数字以上に大きな問題を抱えていると思うんです。
 私も、実際に三重県や静岡県の現場に足を運んで、住宅がどうなっているのか、また、この目で見て、入居者の方々からもお話を聞いてきました。
 三重県四日市市のある住宅を訪ねて、まず驚いたのは、五棟あるうちの一つの棟の一階部分が丸々、板塀が囲うように打たれている。入居者がいないので、防犯対策だということだそうです。かつては二百七十戸入居者がいたんですけれども、現在は三十数戸、激減しています。また、空き部屋の風呂場の窓が割れてハトの巣がつくられている、台風で雨漏りがするんだけれども自然災害だから個人負担でと言われた、管理人は週に一回しか来ない、草刈りは家賃に含まれていないからやらないなど、日常生活にさまざまな支障が出ています。
 何より、住宅としてのコミュニティーが破壊されている。別の棟で聞きましたら、高齢の方が孤独死をしていた。新聞配達の方が、何日分も新聞がたまっているものだから通報したそうなんですけれども。岐阜県のある住宅でも、いわゆる孤独死の方が発見されました。
 全国各地でこのような事例を聞いているんですけれども、大臣のもとにはこういう実態は届いているんでしょうか。

○生田政府参考人 お答え申し上げます。
 入居者の方の御不安という中で、孤独死という問題、孤立死という問題があるというふうに私どもも承知しております。
 最近、平成二十五年に、今雇用促進住宅を所有しております独立行政法人の高齢・障害・求職者雇用支援機構の方から通知を、管理会社、雇用促進住宅を管理している会社に出しまして、その中で、地方公共団体の福祉担当部局それから警察関係者と十分連携をとって、もし何かございましたら対処するようにという通知を出してございます。そういう中で個別の事案につきましては把握していくという考え方でございます。

○島津分科員 本当に大変な事態が生まれているんです。
 昨年来、私どもの国会事務所や地元事務所に、入居者の方々からさまざまな心配、不安の声が寄せられています。突然、更地にするという書類が届いたが、入居の際には一切説明がなかった、住宅の自治会からも連絡がない。住宅の売却のお知らせが入っていたけれども、どうしたらいいのか。これは千葉県の八十歳を過ぎた女性からです。
 政府は、閣議決定で、二〇二一年までに雇用促進住宅の完全廃止を目指すということを決めました。入居者にとっては不安が募るばかりです。
 大臣、入居者の皆さんがなぜこれほど不安な気持ちになるのか、どうお考えなんでしょうか。

○生田政府参考人 お答えいたします。
 まず、今回の雇用促進住宅の廃止につきましては、平成十三年の閣議決定などによりまして雇用促進住宅は早期廃止を計画的にやるということを受けまして、当時の所有者でございました独立行政法人雇用・能力開発機構におきまして検討を行い、収益の最大化を図りつつ、早期の事業廃止を行うために必要な期間を考慮いたしまして、平成三十三年度までに譲渡、廃止を完了するという方針で臨んでおります。
 こういう方針で臨んでおるんですけれども、実際に入居されている方につきまして、御不安を抱かれるケースもあるかと思いますので、こういった御不安を招くことのないように、入居されている方に対しまして丁寧な説明をするということだというふうに考えてございます。
 来年度以降の売却の考え方につきましては、十年間は現在の入居を継続できるということや、あるいは賃貸条件を変更しないというふうなことを対処方針としておりますけれども、そういった内容も含めまして、きちんと丁寧に説明していくということかと思います。
 平成二十七年度につきましては、既に六百七十七回の説明会を開きまして御理解を得られるように対応しておるわけですけれども、これからも、入居者の方に不安を与えないように、理解を得ながら対応していくという方針で臨みたいというふうに考えてございます。

○島津分科員 丁寧な説明と言いますけれども、十分説明されていないし、なっていないし、説明を受けても不安だという現実があるんです。
 この不安の根本にあるのが、やはり二〇二一年までに廃止を決めた国の方針だと思うんです。第一次安倍内閣の時期、二〇〇七年六月に、遅くとも二〇二一年度までに全ての処理を完了する、この閣議決定を行いました。当時、塩崎大臣は官房長官でした。
 どういう目的で、何のために、二〇二一年度までと期限を切った方針を固めたんでしょうか。これは大臣、どうなんですか。

○塩崎国務大臣 これは、平成十三年の閣議決定などによって雇用促進住宅は早期廃止を計画的に行うということになったことを受けて、当時の所有者でありました独立行政法人雇用・能力開発機構において検討を行った結果、収益の最大化を図って早期の事業廃止を行うために必要な期間を考慮して、平成三十三年度までに譲渡、廃止を完了するということを決定したわけでございます。これを受けて、政府として、平成三十三年度までの譲渡、廃止を平成十九年に閣議決定したところでございます。

○島津分科員 私たちは、当時の法案審査、雇用・能力開発機構法案、この際に、住宅業務からの撤退というと、一番大きな問題になるのは、現在の入居者がどうなるかという問題だということを指摘してきました。我が党の大森猛議員は、九九年三月十二日の衆議院労働委員会で、今回の法改正で雇用促進住宅の大家さんがかわる、政府側の都合によるものですが、いかなる理由があろうとも、入居者の同意のないまま退去の強制をしたり、あるいは家賃、管理費などの一方的な引き上げ、契約条件の一方的改悪、こういうものは絶対にあってはならない、こう問題提起しました。
 残念ながら、今日、この指摘がかなりの部分で、現実のもの、当たったものになっていると言わざるを得ません。
 大臣、改めて確認しますけれども、いかなる理由があろうとも入居者の同意のないまま退去の強制はしない、このように受けとめているんですけれども、その認識でいいんでしょうか。いいですね。

○塩崎国務大臣 入居者を強制的に排除するかという御質問かと思いますが、現在、入居者の方の退去を促進することは実施をしておりません。住宅の譲渡に当たりましては、入居者の方が安心して引き続き住み続けられることを条件とした譲渡を進めておるところでございまして、現時点で退去促進を行う予定はございません。

○島津分科員 現実に通知が来て、廃止します、民間に売却します、そういう場合には更地にしますとか、いろいろ説明があるんですけれども、退去は言っていないということなんだけれども、なくなるということですから、実際には、退去しろ、してくださいということを言っているに等しいんですよ。
 今、大臣も改めて確認していただいたと思うんですけれども、同意のないままの強制退去はない、これは歴代の大臣が明言しているわけですから、ぜひそこは守っていただきたいと思うんです。
 その上でお聞きします。
 平穏な生活を送っているのになぜ出ていかなければならないのか、この声はもっともな話だと思うんです。一番大事なことは、現に今入居している人の日々の生活を、将来をどう保障するか。入居者の皆さんの居住権にかかわる問題なんです。にもかかわらず、国は、今も繰り返し言っているように、二〇二一年度と期限を切って実質的な退去を迫っている。入居者の皆さんの不安を解消して、居住権をいかに保障するんでしょうか。これをどう保障していくんでしょうか。

○生田政府参考人 お答えいたします。
 これからの対処方針といたしまして民間売却を進めるという考え方でございますが、これにつきましては、先ほどちょっと述べましたけれども、十年間の居住は保障するということや、あるいは、その間の賃料等の条件につきましては変更しないという前提で売却をするという考え方でございますので、そういった中で居住者の方の権利の保障を図っていきたいというふうに考えてございます。

○島津分科員 問題だと思うのは、廃止、民間への売却ということへ今大きくスタンスが変わっているということだと思うんです。
 機構が各地の雇用促進住宅で配布している資料、「入居者の皆様へ」と題する案内、現物はこれなんですけれども、これを見て私は驚きました。例えば、「雇用促進住宅は閣議決定により平成三十三年度までに事業を終了します。」「地方公共団体は雇用促進住宅を取得する意向がありません。」「賃貸住宅として運営を続けるために民間売却に取り組みます。」こうあるんです。
 これは、民間売却ができなければ住宅の存続がなくなるとも読めるんですけれども、そういうことなんでしょうか。

○生田政府参考人 お答えいたします。
 今回の売却につきましては、所有者でございます独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構におきまして、平成二十六年度に地方公共団体の買い受け意向の調査をいたしまして、その中で、買い受け希望が極めて少ないという結果が出ました。
 そういう中で、何とか入居者の方に引き続き住み続けていただくためにどうするのかということで、平成二十八年度からは、新規入居可能住宅も含めまして民間売却をするということでございます。
 この民間売却につきましては、きちんと売り切るという方針で臨みたいというふうに思っておりまして、従来から、雇用促進住宅を民間事業者の方に売却をするということ、個別売却をやっております。これにつきましては成果が上がってきておりまして、ことしの二月二十三日現在で百六十四住宅の売却がされてございますけれども、その売却した後、入居されている方から御不満ですとかあるいは苦情などは寄せられていないというふうに承知しております。こういった手法で、きちんと民間に売却していくよう頑張っていくということでございます。
 入居されている方々が不安を感じることのないように配慮する形で、先ほども申しましたように、きちんとした説明をしていきたいというふうに考えてございます。

○島津分科員 先ほど紹介した「入居者の皆様へ」という資料では、こうもあるんです。「民間売却できなかった場合は平成三十三年度より前に退去となります。」と書いてあるんです。ここまで書いてあるんです。まるでおどしとも受け取られるような表現なんです。
 売却ができなかったら平成三十三年度より前に退去となるというのは、どういうことなんでしょうか。先ほど大臣にも確認しましたけれども、一方的な追い出しはしない、こういう歴代の厚労大臣の答弁にも反すると思うんですけれども、大臣、どうでしょう、いかがですか。

○生田政府参考人 法的に申しますと、契約がきちんとできずに、要するに、売ることができずに残った住宅につきましては、何がしかの方法を考えないといけないというのはこれは事実でございます。
 ただ、方針といたしまして、私どもとしては完全に売り切るということで臨みたいと思っておりますので、そういった点で、御心配が起きないような形での説明というのをきちんとやっていきたいと思っております。

○塩崎国務大臣 三十三年までの期限をつけてはおりますけれども、今局長からも答弁をしているように、まず第一に、話がつかないままに追い出しみたいなことはないということは申し上げてきたとおりでありまして、できる限り、お住まいになったままで民間に移れるというような形でいけることが一番好ましいことではないかというふうに思います。

○島津分科員 いずれにしても、納得のないまま一方的な追い出しにならないようにしていただきたいと思うんです。
 冒頭でも紹介しましたけれども、入居者の不安は、今、一気に広がっています。三重県のある住宅に住んでいる方から、あしたどうなるのか、毎日が不安でたまらない、こういう心境を聞きました。
 入居者の多くは、その住宅の譲渡、廃止を決めた閣議決定について、知っていないという方も少なくありません。さらに、民間への売却後十年間は家賃等が変わりませんとも言っているんですけれども、この間のそうした経過や十年間という根拠も知らされずに、簡単に納得できるものじゃないんです。現在五十五歳の人は、十年というと六十五歳になるんです。退職して年金生活、大幅に家賃が値上げされたら対応のしようがない、こういう不安がやはりあるんです。
 一つ確認したいんですけれども、売却後十年間は家賃等は変わらないとしているんですけれども、では、十年後の保障というのはどうなるんでしょうか。この不安にどう応えるんでしょうか。

○生田政府参考人 お答えいたします。
 雇用促進住宅の二十八年度以降の売却につきましては、今委員おっしゃいましたように、十年間は居住を保障して、それから家賃等の条件は変えないということを条件として売却をいたしますけれども、買い受け後十年経過後の入居の契約条件につきましては、これは入居者の方と買い受け事業者の間で決められるものであるというふうに認識をいたしております。

○島津分科員 結局、民間に売却するということは、近い将来、十年後にはどうなるかわからないということなんですよね。本当にひどい話だと思うんです。
 次に、雇用促進住宅の役割についてお聞きしたいと思うんです。
 リーマン・ショック、東日本大震災のときに、国は、通知を出して雇用促進住宅の活用を指示しました。それだけ雇用促進住宅というのは重要な役割を果たしたと言えると思います。
 現在も、被災者の方が利用しています。一番多いときで五千戸を超え、全体の七・七%、直近の入居実績でも二千戸が入居しています。震災という非常時はもちろん、その後の生活が安定するまで、極めて重要な役割を果たしているんです。
 そこで、改めて、やはり雇用促進住宅の公的な性格、役割、これを見直すべきじゃないかと思うんですけれども、大臣、その点での見識をお伺いしたいと思うんです。

○塩崎国務大臣 今おっしゃったように、雇用促進住宅は、リーマン・ショックによる住居喪失者のために供せられたり、東日本大震災、この際にも被災者に入っていただくというような、一時的な公的な役割を担っていた、それはそのとおりでございます。
 もちろん、ですけれども、これは当然、公的にお住まいを探さなきゃいけないような事態が起きておったからでございますので、どういうところに入っていただくように公的支援をするかというのは、それぞれいろいろあるんだろうと思います。しかし、この雇用促進住宅が使われた、その用に供せられたということはそのとおりであって。
 他方、政府としては、先ほど来申し上げているように、閣議決定をし、それに基づいて雇用促進住宅の譲渡が、もともと、炭鉱の閉山に伴って、働いていらっしゃる方々に一時的な訓練とかあるいは住む場所を広域的に御用意するということでできたものでございますので、三十三年度までに譲渡を完了するという閣議決定に基づく方針というのは変わらないということで、入居者の方々の御理解をどうやって、丁寧に得られるように努力をしていくかということは、極めて大事なことだと我々としても思っているところでございます。

○島津分科員 役割があるのに廃止というのはどうも納得できないんですけれども、役割は今もお認めいただいたと思うんです。
 雇用促進住宅は、民間の住宅には入るのが厳しい状況の人の生活を支えるという点でも大きな役割を果たしていると思うんです。しかし、その生活に寄り添った運営が本当にできていないというのも事実だと思うんです。
 例えば、滋賀県や三重県四日市市でも、実際に困っている事例として私は切実な訴えを聞いたんです。
 住宅の四階の部屋に住んでいる七十代の高齢の女性の方。足が悪くて、一階の部屋があいているから移りたいという希望がある。この寒い時期に、不自由な足で重い灯油缶を持って四階まで、本当に懸命に重いものを持って上がっていくわけです。
 しかし、機構に話をしても、一階に移るということを認めてくれない。部屋があいているのに認めてくれない。これは何でこうなっているんでしょうか。

○生田政府参考人 お答えいたします。
 雇用促進住宅で、入居されているところからあいているところに移るということにつきましては、新規入居という扱いになりますので、それができましたらもちろん移れるわけですけれども、そういう扱いができないということだとすれば移れないということでございます。
 新規入居に伴いましては、それに伴ういろいろな手続が必要でございますので、それができないとすれば、移れないという結論になる可能性はございます。

○島津分科員 今御答弁あったように、いろいろなハードルがある。一番大きな問題、ネックの一つに保証人の問題があるんです。入居時に保証人がいたんだけれども、年数がたつうちに保証人がいなくなってしまった。それで新規契約を結べない。しかし、これまで家賃をきちんと納めている、これが私は何よりの保証だと思うんです。
 そこで、国土交通省にお聞きしたいと思うんですけれども、公営住宅において保証人を免除する場合の規定があると思うんです、これはどうなっているんでしょうか。

○杉藤政府参考人 お答えをいたします。
 公営住宅への入居の申し込みに当たっての保証人の取り扱いにつきましては、公営住宅法令上は特段の規定を設けておりません。一方で、公営住宅を管理する地方公共団体においては、条例等の規定に基づき、一般的には保証人を求めているものと認識しております。
 国土交通省といたしましては、公営住宅管理標準条例案、国のモデルを示しておりまして、この第十条の説明部分においては、保証人をつけるかどうかの取り扱いについて、地方公共団体の判断に委ねているところです。
 なお、同標準条例案の第十条第三項では、公営住宅法の趣旨を踏まえ、特別の事情があると認める者に対しては、請書、これは入居申し込み時に必要な書類でございますけれども、請書に保証人の連署を必要としないこととすることができるという規定を設けてございます。
 いずれにいたしましても、公営住宅への入居の申し込みに当たって、保証人の取り扱いについては、地方公共団体において、地域の実情等を踏まえ、適宜御判断いただくものと考えております。

○島津分科員 今御答弁あったように、必ずしも必要じゃないということでもいいと。
 現に、名古屋市なんかでは、保証人がなければ緊急連絡先を一人立てればいい、こういうことだとか、あるいは、横浜、京都、大阪、北九州などでも、必要としないことができる要綱をつくっているんです。要するに、困っている人は保証人を免除できるということなんです。
 厚労大臣、雇用促進住宅の公的な役割から見て、同じように、同様の配慮、柔軟性ある対応をすべきだと思うんですけれども、いかがでしょう。保証人はなくてもいいんじゃないか。

○生田政府参考人 技術的な中身でございますので、お答えいたします。
 これにつきましては、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構、これが雇用促進住宅を所有しておるわけですけれども、その機構におきます住宅貸与の規則上、どうしても必要であるというふうに聞いてございます。
 その根拠といたしまして、先ほど御答弁にもございましたけれども、他の公営住宅におきましても実態としては保証人を必要としているケースが多いという中で、機構として、住宅管理をしていく観点からはそういったことが必要になってくるという判断を独立行政法人としてしているということでございます。

○島津分科員 公的な住宅ですから、本当に困っているわけですから、柔軟な対応をぜひしていただきたいと思うんです。
 時間がありませんから、次に進みます。
 安倍内閣は、まち・ひと・しごと創生総合戦略を掲げています。私、このまち、人、仕事づくりの角度から見ても、雇用促進住宅が地域で重要な役割を果たしているという事例を幾つか聞いています。
 例えば、岐阜県下呂市と郡上市では、雇用促進住宅を市が買い取って、公的な住宅として管理運営をしています。最大の動機は、現に住んでいる人が退去させられるのはどうか、住んでいる人に迷惑をかけてはいけない、こういう、自治体として住民の生活と権利を重んじるところから出発したということだと聞きました。
 さらに感心したのは、下呂市では、一つの住宅を、子育て世代、十八歳未満の子供がいる世帯、それから四十歳以下の若年層を対象にした専用の住宅にする、促進する。若者向けのリフォームをやる。敷地には幼児用の遊具なども設置している。
 下呂市は温泉街なんですけれども、そこで働く人たちの住居を提供するという上でも大いに役立っている。公営住宅の不足を補って、むしろ積極的に活用することによって入居率が大幅にアップして、財政的にも、家賃で運営できるほどになったと聞きました。
 千葉県の旭市では、現に入居している人や住宅困難者への住宅確保が必要だというだけでなくて、近隣の区長さんなど市民の要望も大きくて、市が買い取って運営している。譲渡金は約三千七百万円。国の交付金を活用して、市の負担はゼロだといいます。市が管理してからは、年間の家賃収入から維持管理費を除いても、毎年一千万円を基金に積み立てられるほどの運営なんです。
 機構のホームページでも譲渡後の活用方法として紹介されている山形県村山市。ここでも、こんなブログが発信されているんです。村山市の行動は大歓迎だ、子育てのための新婚夫婦や若い夫婦の住宅が不足というだけに、積極的に住宅を確保してもらいたいと願う、こういうものなんです。
 このように、現に住んでいる人もそうですけれども、これから住みたいという人の願いにもなっている。
 大臣、通告していませんけれども、今紹介した例は一部なんです。雇用促進住宅を自治体へ譲渡する趣旨と合致していると思うんです。まちづくり、人づくり、仕事づくり、どっちも地域に貢献していると思いませんか。

○塩崎国務大臣 橋本行革のときに雇用促進事業団の改革の問題が議論になって、その際の延長線でこれが議論になって、安倍内閣でも閣議決定をした、こういうことになっているんだろうと思うんです。
 時代時代に役割のある政策というのがあって、そして、今先生が御心配になっている、入っていらっしゃる方々が先行きどうなるのかということについて、当然、国として、あるいは地域社会あるいは地方公共団体から見て政策的に支援が必要だということに関しては、それぞれ、どういう政策で解決をするかということはそれぞれだろうというふうに思うんです。
 この雇用促進住宅については、これまでの経緯、そして、財源が雇用保険の二事業の事業主の負担から出てきていたということ等々から考えてみて、このような閣議決定を政府として決めたわけでございます。
 したがって、今、地方創生でこういう住宅が必要じゃないかということでございますが、それはまた、新たにどういう政策、アロケーションをして、必要な人にどういう支援をするのかということにかかわってくる問題ではないかなというふうに思いますので、それはそれとして大事な問題でございますけれども、この雇用促進住宅については、このような整理を私どもではつけて、あとは、きちっと丁寧に、配慮をしながら、住んでいらっしゃる方に困ることができる限りないようにしていこう、こういう努力をするのが私たちの仕事ではないかというふうに思います。

○島津分科員 雇用促進住宅が現在まだあり、そこに住んでいる、そしてその役割も非常に大きなものがある。そして、自治体に譲渡すれば、住んでいる人ももちろんですけれども、その周りの方にも望まれる。非常に大きな役割、期待があると思うんです。
 ですから、私は、今、国としてもっと力を入れてやるべきことは、廃止の方針を決めたからそれに突き進んでいくということではなくて、やはり改めて見直して、地方自治体への譲渡、自治体が買い取りやすくなるような方策、ここをもっとやるべきじゃないかと思うんです。
 自治体によって当然事情は異なります。しかし、政府としてまち・ひと・しごと創生を掲げているならば、先ほど紹介した自治体の努力は、まさに地域に根を張った典型的な取り組みだと思うんです。
 雇用促進住宅の廃止、民間への売却、更地化などの方向ではなくて、こうした自治体の努力や工夫、そしてその背中を後押ししてこそ、今直面している問題解決の近道じゃないかと思うんです。
 改めて、大臣、見解はどうでしょう。

○塩崎国務大臣 先ほど申し上げたように、支援が必要な方には支援をするのが、国、地方、政府の役割でありますが、どういう方々にどういう支援をするのかというのはそれぞれでありますので、地方への移管ということがスムーズにできるようにすることについては私たちも努力をしてまいりたいと思いますし、それを使ってどう地方が、支援が必要な方にどういう支援を提供されるのかは、それはまたそれぞれがお決めになることではないかというふうに思います。
○島津分科員 改めて、きょう、廃止決定の矛盾、実態に合わないやり方が浮き彫りになったと思うんですけれども、改めて、閣議決定の撤回、入居者の一方的な追い出しはしないということを求めて、終わります。
 ありがとうございました。

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